近年、電気自動車(EV)の普及に伴い、中古EV市場も拡大傾向にあります。しかし、中古EVの価値は下落傾向にあります。本記事では、『なぜ中古EVの価値は下落してしまうのか』について『バッテリー自体の課題点』と『バッテリーを取り巻く外的要因』に分けてわかりやすく解説します。1. バッテリー自体の課題点(内的要因)電気自動車(EV)のバッテリー自体の性質として、劣化が避けられないにも関わらず、その劣化度合いを診断する手段が確立されていないという課題が存在し、それが中古EVの価格下落を招いています。・バッテリーの劣化は避けられないEVの心臓部である「バッテリー」は、時間の経過とともに必ず劣化します。劣化が進むと、航続距離が短くなってしまいます。また、劣化してしまったバッテリーを交換するには、平均40万円〜90万円、ときには100万円以上かかることもあります。こういった事情が、中古EVの価値を下落させる一つの要因としてあります。・バッテリーの劣化診断が確立していない時間と共に、必ず劣化するEVバッテリーですが、高精度の診断に時間とコストがかかる、中~低グレードの用途が確立しておらず価値が算出できないという理由から、その劣化度合いを正確に診断する技術がこれまで確立されていませんでした。そのため、EVのバッテリーは安く買いたたかれやすいという現象が、中古EVの価値を下落させる一つの要因としてあります。2.バッテリーを取り巻く外的要因電気自動車(EV)のバッテリーを取り巻く環境として、業界は進化のスピードがものすごく速いことや、インフラや補助金が追い付いていないという課題が存在し、それが中古EVの価格下落を招いています。・EV技術の進化が速い。EV業界は日々技術開発が進められているため「航続距離」「充電速度」「安全装備」の面では、数年前のモデルでも見劣りしてしまいます。その結果、旧モデルは価値が下がりやすくなるので、中古EVの価値を下落させる一つの要因となります。・インフラと補助金が追い付いてないインフラの面では、需要と供給のバランス、経済性(充電器の設置・維持コスト、採算性、老朽化の問題)の観点から、EVにとって重要な充電スポットの設置場所は、地域格差があります。そのため、地域によっては、不便と感じることもあるでしょう。このようなことから、ユーザーにとって中古なのに新車より「コスパが悪い」と感じられることが発生していることも、中古EVの価値を下落させる一つの要因となっています。3.中古EVの価格下落を改善する一つの解決策このように、バッテリー自体の内的要因として『劣化が避けられない』『劣化度合いを正確に診断できない』という問題点やバッテリーを取り巻く外的要因として『進化スピードの速さ』や『補助金・インフラの不備』という問題点により再販リスクが高いので、中古EVの価値は下落してしまうということを解説しました。そこで、Energy Loop Terminalでは、MIRAI-LABO株式会社と共に、中古EVの再販リスクを下げるために使用済みEVバッテリーの劣化診断技術を確立しました。正確な劣化診断で、適切な価値を見定めています。そして、資源を余すことなく使い、本当の寿命を迎える方法を実現しています。今後、バッテリーの性能や寿命が改善され、買い取り事情が変わっていく可能性もあります。EVを売る・買うときは、しっかり情報収集して判断しましょう。【おすすめ記事】EVについてご興味をお持ちでしたら、是非こちらの記事もご覧ください!EV市場の最新トレンドを徹底解説~各国の販売情勢・実施政策・EV普及への課題や将来展望について~https://auc-elt.com/column/3-04