近年の課題として、地球温暖化、エネルギー資源の枯渇、そして電気料金の高騰が挙げられます。そんな課題を解決するカギとして注目されているのが「再生可能エネルギー」です。そこで今回は、主要な再生可能エネルギーの種類と、利点、課題、そして導入事例について、わかりやすく解説します。1.太陽光発電太陽光発電とは、『太陽の光を太陽電池(ソーラーパネル)で直接電気に変換する』発電方法です。また、太陽さえあればクリーンで無限に使えるエネルギーのため、設置後のランニングコストが低く、個人でも導入しやすい(売電も可能)というメリットがあります。一方で、天候や昼夜で発電量が変動することや、廃パネルのリサイクル技術が発展途上であることが課題として挙げられます。現在までに、福島県では、「再生可能エネルギー先駆けの地」を目指し、積極的に導入を進めています。アメリカでは、2016年頃からソーラーロードの実証実験がスタートし、道路に埋め込まれたソーラーパネルで発電された電気は、街灯や信号機、電気自動車の充電ステーションなどに使用されています。2.風力発電風力発電とは、『風の力で風車を回し、発電機で電気をつくる』発電方法です。陸上と洋上(海上)の2タイプがあり、国土の狭い国にも導入が可能であり、夜間でも風があれば発電が可能というメリットがあります。一方、風が弱いと発電効率が下がることや、騒音・低周波・景観などに影響があるため住民問題が発生することがあること、建設・維持管理コストが高いことが課題として挙げられます。現在までに、秋田県と愛知県の2つの海域にて、風車を海に浮かした「浮体式」の実用化を目指した実証実験が進行中しています。また、欧州では、風況が良く、安定した風が吹くため風力発電が盛んです。日本の風力発電の割合は年間電力需要量に対して約1.2%(2023年)に対し、欧州は約19%です。3.水力発電水力発電は、『水の落下する力でタービンを回し、電気を作る』伝統的な発電方法です。非常に安定した出力が可能で、寿命が長く、メンテナンスも比較的容易で、夜間の余剰電力を用いて水を汲み上げ、電力需要の多い時間帯に水を落として発電する仕組みである揚水発電と組み合わせることで、電気を水に置き換えて貯蓄が可能なメリットがあります。一方で、水力発電はダム建設をする場合も多く、自然破壊・住民移転が必要になることがあり、生態系(魚の遡上など)への配慮も必要です。また、気候変動による水量の変化で影響を受けるなどの課題があります。現在までに、日本では約7%が水力由来であり、大規模な構造物を必要としない中小水力発電の導入が活発となっています。豊富な水資源と急峻な地形を利用することができるノルウェーでは水力発電が国内電力の役95%を占めています。4.バイオマス発電バイオマス発電は、木材・生ゴミ・動物の排せつ物などの『有機物を燃やす・発酵させることで電気や熱を得る』発電方法です。廃棄物を有効活用することで、発電しながらゴミを削減効果も期待できるメリットがあります。一方で、燃焼による汚染物質や臭いの問題が生じることや、大規模化にコストと労力がかかるという課題があります。現在までに、日本では、家畜の排出物を原料に、電気や熱に変えるバイオマスシステムを導入している牧場があります。約9,500のバイオガスプラントが稼働しており、総発電容量は5,000MW以上を誇るドイツでは、トウモロコシの茎や葉、家畜の糞尿などの農業廃棄物や、林業廃棄物を利用した発電所が多い。5.地熱発電地熱発電は、『地中深くにあるマグマの熱を利用して水を蒸気にし、タービンを回す』という発電方法です。地球内部の熱のため、24時間稼働可能で、天候や季節に左右されることはなく、CO₂排出が非常に少ないメリットがあります。一方で、地下の調査や掘削に高コスト・時間が必要であることや、資源の競合である温泉とのトラブルが起こりやすいこと、適地が限られることが課題として挙げられます。現在までに、日本は世界第3位の地熱資源国とされているものの、利用率はまだ低く、2030年代の実用化を目指しています。電力発電の約3割が地熱発電で賄われている地熱大国アイスランドでは、電力だけでなく、地域暖房や養殖漁業、融雪、工業利用、浴用など幅広い用途で地熱を活用しており、一次エネルギーの約7割を地熱に頼っています6.おわりに日本は現在、総発電量の約20~25%を再生可能エネルギーが占めています。政府は2030年までに36~38%に引き上げる方針を示しています。今後は様々な展開が期待されています。例えば、現在も導入されている再生可能エネルギーと蓄電池のセット導入がより拡大し、安定的な供給が見込めるでしょう。他にも、地域分散型エネルギー社会の実現や、再生可能エネルギー由来の水素など新たな技術との連携も期待されています。再生可能エネルギーは、環境にやさしいだけでなく、地域の活性化や新しい雇用の創出にもつながります。課題もたくさんありますが、それをどう乗り越えるかもまた、私たちの知恵と選択次第です。「電気はどこから来ているのか?」そんな素朴な疑問から、地球の未来が変わるかもしれません。【おすすめ記事】再生可能エネルギーについてご興味をお持ちでしたら、是非こちらの記事もご覧ください!再生可能エネルギーの利点とは? ~"無くならないエネルギー"の重要性~https://auc-elt.com/column/6Y62RLj_