私たちの生活に欠かせないスマートフォンや電気自動車(EV)など、さまざまな製品に使われている「リチウムイオンバッテリー」。最近では、こういった使用済みバッテリーを再利用する「リパーパスバッテリー」が注目を集めています。その一方で、「リパーパスバッテリーって安全なの?」「使い古された電池って、発火とか大丈夫?」という不安の声も上がっており、必要以上に危険性がクローズアップされている現状があります。そこで今回は、リパーパスバッテリーの安全性について『実態以上に危険だと思われている理由』、『リスク管理の実態』、『購入時の注意点』について解説していきます。1.なぜリチウムイオンバッテリーは「危険」と思われがちなのか?「リチウムイオンバッテリー=爆発の危険がある」という印象は、ニュースや新聞などでの火災事故報道から来ていることが多いでしょう。。リパーパスバッテリーの場合も、適切な検査・安全制御が行われないまま市場に出回れば、発火のリスクはありますが、これは新品のバッテリーでも同様です。特に中古や安価な製品で起こる事故は、製造不良や過充電・過放電などの制御不備、物理的損傷などが原因です。つまり、安全性は「新品か中古品か」ではなく、いかに状態を正確に把握し、正しく取り扱うかにかかっているのです。2.技術と管理でリパーパスバッテリーのリスクは最小限にされている信頼できる企業や団体が手がけるリパーパスバッテリーには、次のような厳格なプロセスが設けられています。正確な劣化診断を実施安全性の基準を満たしたモジュールのみを選別BMS(バッテリーマネジメントシステム)による保護回路の付与出荷前のテスト・エイジングを実施これらの工程を経て初めて、「リパーパスバッテリー」として再出荷されます。こうした技術的裏付けと品質管理の体制が整っていれば、リパーパスバッテリーは安全に使える製品なのです。3.リパーパスバッテリーの購入・使用時に気をつけることユーザーとして気をつけるべきことは、信頼性の高いメーカーや販売元から製品を購入することです。また、使用方法や充電方法を守ることも大切です。万が一の発熱など異常が見られたら、すぐに使用を中止しましょう。また、不要になったバッテリーは、自治体や専門業者に正しく回収してもらうことも、安全性と環境保護の両面から重要です。4.リユース=危険ではない「リパーパスバッテリーは危険なのか?」という問いに対する答えは、「いいえ、適切な管理と技術があれば、安全に使えます」と言えます。しかし、技術的裏付けと品質管理の体制が整っているメーカーは限られてます。このように、技術的裏付けと品質管理の体制が整っているメーカーが、適切な管理と技術で安全と公表しているリパーパスバッテリーは安心して使用することが可能です。限りある資源を有効に活用し、環境への負荷を減らすという観点では、これからのエネルギー社会に欠かせない技術といえるでしょう。便利さと持続可能性を両立させるために、正しく理解し、賢く活用していきたいですね。【おすすめ記事】中古リチウムイオンバッテリーについては、是非こちらの記事もご覧ください!中古リチウムイオンバッテリーは低容量?~意外と知らない『容量』と『性能』の真実~https://auc-elt.com/column/l7K-ALUP