私たちの生活やビジネスの場面では、日々膨大な「モノ」が使い捨てられています。そんな現代において注目されているキーワードの一つが「リパーパス(repurpose)」です。日本語では「再目的化」や「用途変更」と訳されるこの言葉はモノをそのままの形で、そのままの目的で再利用する「リユース」やモノを違った形で、違った目的で再利用する「リサイクル」と違いモノをそのままの形で、違った目的で再利用するという点で新たに注目されています。本記事では、リパーパスについて、リユースやリサイクルとの違いや、注目されている理由についてより詳しく解説していきます。1.リユース、リサイクルとの違いリユース(reuse)とは、使い終わった物をそのままの形で、再び同じ目的で使うことです。例えば、使ったビンを洗って、そのままビンとして再利用することが挙げられます。リサイクル(recycle)とは、使い終わった物を、原材料として違う形にして、再び違う目的で使うことです。例えば、ペットボトルを砕いて形を変え、目的の違う新しいプラスチック製品にすることが挙げられます。リパーパス(repurpose)とは、モノをそのままの形で、違った目的で再利用することです。例えば、使い終わったワイン樽を、形を変えずにテーブルという別の目的で用いたりTiktokで若者向けに投稿した動画を、形を変えずにYouTubeに投稿し、別の年齢層への訴求として利用することなどが挙げられます。つまり、リパーパスは、「形を変えずに、別の価値や使い道(目的)を見出す」ことに重点を置いています。2. 実例で見るリパーパスここまでリパーパスの概念について解説をしてきましたが、実際にはどんなものがあるのか実例をご紹介します。生活でのリパーパスの実例空き瓶を花瓶に使うこの例では、使用済みの空き瓶を、形を変えずに花瓶として、別の目的で利用しています。そのため、これはリパーパスということができます。古い靴下をペット用おもちゃにするこの例では、使用済みの靴下を、形を変えずにペットのおもちゃとして、別の目的で利用しています。そのため、これはリパーパスということができます。ビジネスでのリパーパス使わなくなったコンテナをカフェに再活用この例では、使用済みのコンテナを、形を変えずにカフェとして、別の目的で利用しています。そのため、これはリパーパスということができます。使用済みEVバッテリーを活用し自律型街路灯に使用済みEVバッテリーを利用した街路灯"THE REBORN LIGHT smart"この例では、使用済みの電気自動車のバッテリーを、形を変えずに街灯のバッテリーとして、別の目的で利用しています。そのため、ここでは「使用済みの電気自動車のバッテリー」はリパーパスされたということができます。3.なぜリパーパスが注目されるのか?リパーパスは、物を捨てずに活用するという、リユースの面をもつことと形を変えずに別の目的で使うため、リサイクルをしにくいものに対しても有効であることか注目されています。また、新しい製品を購入するよりも、すでにあるものを活用することで、コストが抑えられます。これは企業活動だけでなく、個人の生活においても節約につながります。4.まとめリパーパスとは、使い終わった物や情報に対して「新しい目的」を与えることでデザイン、マーケティング、教育、建築、ファッションなど、あらゆる分野に可能性が広がっています。個人が家庭内でできる小さなリパーパスから、企業の大規模な資源活用戦略まで、幅広いスケールで応用できるのも特徴です。リユースやリサイクルと合わせて、持続可能な社会の実現へ欠かせない概念といえるだけでなく環境負荷の軽減、創造的価値、そしてコスト削減の創出など、多くのメリットがあります。モノを捨てるとき、「他の使い道はないか?」と少しだけ立ち止まって考えてみてください。そのひと手間が、未来を少しだけ良くする一歩になるかもしれません。【おすすめ記事】リパーパスについてご興味をお持ちでしたら、是非こちらの記事もご覧ください!中古リチウムイオンバッテリーは本当に危険?~意外と知らない3つの真実~https://auc-elt.com/column/O4tRu-Bc